年齢による経年変化を味わいながら、美容を楽しみたい・長田杏奈さん<後編>

年齢による経年変化を味わいながら、美容を楽しみたい・長田杏奈さん<後編>

2022.03.30

第64回目も、前半に引き続き美容ライターの長田杏奈さんにお話を伺います。お仕事でもSDGsやサスティナブルについての記事を執筆することも増えているという長田さん。化粧品、もの選びで意識していることやドゥーオーガニックの印象に残った商品、長田さんが考える“美しさ“などについて、お話いただきました。

環境も私たちも、いい関係が成り立つモノ選びを

ー 化粧品を選ぶとき、どんなことを意識していますか?

もともと肌が丈夫な方ではないのですが、仕事柄いろいろ化粧品を試す機会が多いので、普段はあまり刺激がなくてシンプルに保湿をしてくれるものを選んでいます。敏感にもなりやすいので、贅沢なレストランの食事のような攻めのケアよりも、おかゆのようにまろやかでやさしいケアを。いろいろな化粧品を試せるように、肌に安定させることを心がけています。

あとは、シミ・シワができたからどうにかしたいと効果を求めるよりも、自分の気持ちを満たしてくれるものが好き。「今日はクリームの気分じゃないからこっちにしよう」とか、その日の気分を優先します。自分が自分の美容部員になるというか、「最近お疲れですね。こちらはいかがですか?」「ちょっと癒されてみませんか?」って、提案してあげます。

ー 自分を労るための美容ですね。環境への配慮については、意識されていますか?

肌に対してどうかというだけではなく、環境に配慮されているかどうかは、以前よりもっと考えて選ばないといけないようにはなっていると思います。私たちは行き着いた先で物を使っているけど、物が作られる背景で、環境や生き物も守ることができて、その恵みで自分たちも気持ちよくなって。そんな風にいい付き合いができるといいですよね。一方的に刈り取って消費するのではなくて、循環することでいい関係が成り立てばいいなと思います。

まわりに環境活動をしている人たちも多く、成分はもちろんですが、パッケージや輸送によるCO2排出の問題など話題にあがることも増えました。国産原料を使って、国内で製造するメーカーも増え、その地域を循環させたり雇用を生んだりすることにも繋がってきているなと感じる一方で、取材などでメーカーの方にお話を伺うと、日本はまだ過渡期だなとも感じます。だからこそ、消費者が、「こういうものがあれば買いたい」とか、「もっとこうだったらいいのに」といったことを伝えていくことも大事ですよね。

ー 雑誌でも環境問題をテーマにしたページも随分増えましたが、読者の意識に変化を感じますか?

「SDGs」や「サスティナブル」という言葉が浸透してきたおかげで、私も誌面でそういったテーマについて書くことも増え、無知ではいられないという状況です。また、考えて選びたいと思っている読者も増えています。だから、オーガニックなのか、ビーガンなのか、クルエルティフリーなのか、容器の仕様はどうなのかとか、そういうきちんとした知識も必要だなと。

美しい肌みたいな話って、ともするとエゴみたいな話になりがちで、罪悪感を感じなくはないジャンルでもあるので、ものを選ぶというところでは、背景やブランドストーリーを知ったり、どんな取り組みをしているのか調べたりすることは大事だと思います。最近フェムテックの記事を書くことが多いのですが、女性の課題に向き合うものづくりをする企業は、ホームページを見てもメッセージ性が強くて、想いや取り組みの真剣さが伝わります。こういう企業が増えていって欲しいと思うし、増えていかないといけないなと思います。

年齢による経年変化を味わいながら、美容を楽しみたい

ー ドゥーオーガニックも、環境への配慮はもちろんですが、化粧品を通して世の中の女性を応援するブランドでありたいと思っています。長田さんにとって、美しさとはどんなものですか?

美しさというのが、1つのイメージとしてあるのは変だなと思っていて。審美眼ってあるじゃないですか。その広さや豊かさみたいなことを頑張らないといけなくて、美の基準みたいなものが一元化してしまうのって、すごくつまらない。美しさは、人それぞれ。「美」と言ったら、だれかが排除されるというものではないかなと。年代やその人が日々どうやって過ごしているのか、醸し出されるもの全部見た上で、その人の美しさみたいなものを感じるというのが素敵だなと思います。

ー まだまだ年齢を重ねることをネガティブに捉える風潮はありますが、重ねたからこそ感じる美しさにもっと目を向けられるといいですね。

これには、いろんなコンテンツの影響もあるのかなと思います。撮影の仕方でもそう。男性を撮るときは、影をうまく使ったライティングが多くて、影を“味”として表現しているのに対して、女性を撮るときは、全部飛ばしてツルツルにしてしまう。もっと、誰にでも訪れる変化とか影とか、経年の変化を味わえる社会になるのが理想です。

畳とか障子とか新しくする、神に捧げるものを新しいもので揃えるという文化があるとしても、人間に対して新しさを求めるというのは、人に対する文化の成熟度として、特に女性に向けられる眼差しの成熟度として、すごく未熟だなと感じます。自分が年を取っていてうしろめたい、自信がないと思うのではなくて、そう思わせる文化が未熟なんだって気づいて欲しい。自分を大切にする気持ちを持って、小さいわがままも伸び伸びと、何も臆することなくやって欲しいと思います。

だから私は、年齢による変化をあまり消さずにやっていけたらいいなと思っています。若くて、シミ・シワがひとつもないのが良しとされているけれど、そういう視点ではない美容があってもいいはず。見劣りはするかもしれないけど、踏ん張りたいです。

積み上げてきた、実直なものづくりに共感

ー ドゥーオーガニック商品で、印象に残った商品を教えてください。

エクストラクト ローション アドバンストは、質実剛健。化粧水の「保湿する」という役割をしっかり果たしてくれている感じがしました。ダマスクローズの優しい香りも心地いいですね。オーガニックコスメは、肌なじみが気になるものもあるけど、上滑りせずちゃんとじわっと肌と仲良くしている感じがしました。使い心地は優しいけれど、ふっくらとしてくれるのが大人には嬉しい1本です。

パワー セラム Vも、とろっとしたテクスチャーで、優しく馴染みます。ナチュラル系コスメだと、保湿成分の白キクラゲ多糖体が配合されているものが好きなんです。むっちりとしたハリの優しいベールをかけたような、しょんぼりした肌がちょっとしっかりするような感じがします。

ボディ エマルジョン ライブリー シトラスは、のびの良いミルクタイプでデイリーケアにぴったりです。香りも優しくてちょっとフレッシュで好きです。無理にしっとりさせる感じではなくて、優しく潤う感じも心地良くて、一年中使いやすいですね。ジェンダー、ジェネレーション問わず、シェアしやすいアイテムでもありますよね。私は、60代の母と夫、中学1年生になる娘と高校1年生になる息子の5人家族なのですが、仕事柄家に化粧品がたくさんあるので、みんなそれぞれ使い心地の気に入ったものを選んで使っています。それぞれ好きなものが違うなかでも、これは一緒に使えるなと感じました。

ハンドクリームは気分転換として塗ることも多く、香りが好きなものや、すぐ作業できるサラッとしたもの、乾燥したときにしっかり保湿してくれるものなど、いつも2〜3種類ポーチに入れています。ハンド クリーム インビガレーティング ガーデンは、じっくり保湿したい時や、1日の終わりのリラックスタイムに塗りたいです。

ー ドゥーオーガニックのコンセプトやモノづくりに対して、どんな印象をお持ちですか?

オーガニックコスメだから肌に優しいというわけではなくて、敏感な私の肌には刺激になることも。長く美容ライターをしてきて、たくさんの化粧品に触れてきたので、あまりに使い心地が洗練されていないと、わざわざ使う意味が見いだせない。そんな中でも、ドゥーオーガニックは“成し遂げたいこと”と“みんなに親しんでもらうための工夫”の両立を、とても考えて作っていらっしゃるなと感じました。今日作って明日できる、みたいな話ではなくて、長年試行錯誤しながら、積み上げてこられたんだなって。そんな実直なところにシンパシーを感じます。

photos by yoshimi
   edit&text by Hitomi Takano

長田杏奈さん

長田杏奈さん
(おさだ・あんな)
大学卒業後、ネット系企業の営業や週刊誌の編集を経て、フリーランスの美容ライターに。「美容は自尊心の筋トレ」をモットーに、女性誌やwebメディア等で多くの記事を執筆中。著書に『美容は自尊心の筋トレ 』(Pヴァイン)