美容も食も、暮らしも、心と体が喜ぶ心地よいモノを選びたい・小田ユイコさん<前編>

美容も食も、暮らしも、心と体が喜ぶ心地よいモノを選びたい・小田ユイコさん<前編>

2021.03.09

第49回目は、美容ジャーナリストとして第一線でご活躍されている、小田ユイコさんにお話を伺います。30年近く美容業界に身を置き、あらゆる美容情報に精通している小田さん。スキンケアや日々の暮らしで大切にしていること、忙しい毎日でも健やかでいるための心の持ち方など、ポジティブで場を和ませてくれる朗らかな笑顔の小田さんに、たくさんのヒントをいただきました。

何を選んで、どう使うかで、肌は大きく変わります

ー 小田さんが美容に関心を持たれたきっかけについて教えてください。

今思えば、美容院を営んでいた祖母の影響だと思います。昔から祖母に会いに行くというと美容院に行く感覚で、店内にずらりと並ぶ美しい化粧品ボトルや色鮮やかな口紅、さまざまな美容道具。当時はそんな風景を見るのが大好きでした。きれいになって笑顔になるお客さまの様子を目にして、「あぁ、美容というのは女性をこんなにも喜ばせてくれるものなんだ」と子どもながらに感じていました。

ー 美容ライター、美容ジャーナリストとして長年活躍されるなか、たくさんの美容に触れてきた小田さんが、スキンケアで大切にしていることはどのようなことですか?

何を選んで、どう使うかということを大切に考えています。それだけで肌は劇的に変わると信じています。子どもの頃はアトピー肌でいつも荒れていて、それが当たり前になっていたので、肌質は生まれ持ったものだから変わらないと思っていました。それが、あるとき試した化粧品で見たことがないような自分の肌に出合えたんです。自分の肌に合った化粧品を選んで、きちんとお手入れすると、こんなに変わるんだと感動。以来、あれこれと自分の肌で実験のように試すのが楽しくて、どんどん美容にのめり込んでいきました。

摩擦をかけずに、上手に“洗う・落とす”ことが大切

ー スキンケアでは、具体的にどんなケアを大切にしていますか?

たくさんの化粧品や美容法を試してきて辿り着いたのが、上手に“洗う・落とす”こと。あとは摩擦を不要にかけないこと。メイクを落とす、洗顔をするといった汚れを落とす行為で、肌にマイナスの効果を与えてしまうことが実は多いんです。与えるケアも必要ですが、正しく洗うことで肌のバリア機能をいい状態に保つことが大切だと思っています。

ー ドゥーオーガニックも洗うアイテムには特に力を入れています。上手な洗い方について教えていただけますか?

まず意識したいのが、手の動かし方。直線的にゴシゴシと上下に動かしてしまうと自然と力が入って摩擦の原因になってしまいます。顔は球体なので、直線的に動かすと小鼻や目元、あご周りなどのくぼみに手が届かず、汚れが溜まってしまうことも。せっかく洗っているのに本末転倒ですよね。一気に洗おうとせず、部位ごとに指を顔の丸みに沿わせて動かすことを意識すると、自然とゆっくりとした動きになって、こすらずにすみますよ。洗顔後のスキンケアもそうですが、やはりひとつひとつ丁寧に行うことは大切です。

スキンケアは、瞑想やマインドフルネスのひとつに

ー 忙しさを理由に、ついささっと済ませてしまうかもしれません。

意外と急いでやっても丁寧にやっても、実はかかる時間はそんなに変わらないんです。焦って化粧品をこぼしてしまったり、肌をこすってしまったりといった失敗をしない分、結果的に丁寧にする方が案外時短にもなるかも。スキンケアは肌との対話というほど大袈裟ではないけれど、自分の肌に少しだけ集中してあげる時間がスキンケアだと思います。これからの予定を考えたり、今日あった嫌なことを考えたり、“ながら”で行うとどうしても手の動きが雑になってしまうんです。

ー おっしゃる通りかもしれませんね。リラックスできて気持ちも落ち着けそうですね。

そうなんです。スキンケアは、瞑想やマインドフルネスにもなり得ます。ほんの数分だけでも、朝なら1日が始まったと思えるし、夜なら1日の忙しさを断ち切って、ここからはリラックスタイムというように切り替えに。深呼吸したくなるようないい香り、包み込んでくれるような心地よいテクスチャーで、自然と丁寧にスキンケアしたいと思えるようなアイテムを選べば、より気持ちの良い楽しい時間になるはずです。

ー 面倒だと感じてしまいがちなスキンケアの時間も、少し視点を変えると自分のための特別な時間になりますね。ポジティブな気持ちも肌にいい影響を与えてくれそうです。

コロナ禍で、心身ともに知らず知らずのうちにストレスを感じていますよね。ストレスはちょこちょことリセットしてあげることが大切。毎日行うスキンケアで、それができるといいなと思うんです。こんな状況だからこそ、肌にも心にもうるおいを与えてくれる美容は必要。おうち時間が増えた分、自分の肌をじっくり観察してみたり、お手入れの時間に当てたり、習慣を見直すきっかけにもなっていますよね。

食も暮らしも、心と体が喜ぶ心地よさを意識して

ー 小田さんの穏やかで前向きな心の持ち方がとても素敵ですね。スキンケア以外で、健やかな心や笑顔を保つための習慣を教えてください。

ありきたりかもしれませんが、食事は大事にしています。特別に素材にこだわるということではなく、日々自分と家族の心と体が喜ぶものを選択することが大事。あとはルーティンというほどではないのですが、朝晩の習慣でも心地よさを意識しています。朝は、いちばんに窓を開けて空気を入れ替えたら、白湯を飲んだりストレッチをしたり、花や植物の水やりをしたり、アロマを焚いたり。夜は、リビングを整えてパジャマを着ると、自然と寝るモードにスイッチが切り替わるようになっています。

ー お忙しい毎日だと思いますが、丁寧に暮らす秘訣はありますか?

ストイックにしようとはしていないんです。私はプレッシャーに弱い性格なので、仕事でもなんでも「今が本番!」と思うとそれだけでプレッシャーで。だからいつも、これは次につながる練習だと思ってやっています。日々に追われしまうと先々のことを考えられなくなりますが、夜の習慣も、朝を気持ちよく迎えたり、日中心地よく過ごせたりするための準備。ちょっと先の心地よさを想像すると、気持ちも前向きになれる気がしますし、準備だと考えると肩の荷がおりて気持ちも楽になれるんです。半歩でも先を考えて行動することを習慣にできると、自然と気持ちにもゆとりが生まれるようになりました。

年齢を重ねることは初めての体験。だからこそ発見が楽しい

ー 自分を労ることにも繋がりますね。年齢を重ねる=ネガティブに感じてしまいがちですが、前向きな心の持ち方は、どんな視点から生まれているのでしょうか?

年齢を重ねることは初めての経験なのだから、わからなくて当たり前。逆に、わからないからこそ新しい発見の連続です。それが年齢を重ねていく一番の醍醐味だなと思っています。何歳になっても新しい発見や成長があるんですよね。若い時はなんでもすぐにできたけれど、年齢を重ねるとうまくいかなくなってくる分、できたときの喜びはひとしおです。

ー そう考えると、不安が楽しみや希望に変わりますね。

できないことも含めて楽しめている自分がいます。できない自分との向き合い方が年齢とともに変わっているかもしれません。客観的に見られるようになったり、積み重ねればできるようになることが経験でわかっていて焦らなくなったり。ちょっとした変化や成長を楽しんで自分を満たすことができると、年齢を重ねることにも自信が持てるようになるし、むしろ今がいちばん楽しい!って思えるようになりますね。

photos by yoshimi
hair&make-up by Atsuko Hirose

小田ユイコさん

小田ユイコさん
(おだ・ゆいこ)
1965年生まれ。日本女子大学文学部卒業。主婦の友社に入社し、女性誌の編集者に。1998年、主婦の友社を退社し独立。美容ライターとして、女性誌各誌の美容記事の編集、ライティングに携わる。2005年、集英社のビューティ誌『MAQUIA(マキア)』創刊エディターに。2008年より、美容ジャーナリストとして仕事をスタートする。
https://www.yuiko-beauty.net/